※稼働品ですが、動作時間は計測していません
・針が滑らかに回りません
■キズ汚れ程度
風防:中
裏蓋:小
ベゼル:小
ベルト:
カレンダー:
基本仕様(15016 の個体から)
販売店等の記載によれば、15016 の代表的な仕様は以下の通りです。
項目 内容
製造年 1961 年
型番 Seiko Liner 15016
ムーブメント 手巻き、キャリバー 3140
石数 23石
ケース素材 ステンレススチール
ケースサイズ 約 35 mm(径) × 44 mm(ラグ含む長さ) × 厚さ約 8 mm
ラグ幅 18 mm
文字盤 銀白色(silvery white)、シンプルなドレスウォッチタイプ
風防 プラスチック製
ライナー (Liner) ブランド/シリーズの背景・歴史
「Liner」シリーズはセイコー(特に諏訪精工舎、Suwa factory)で、1960年からおよそ1964年までのごく短期間に製造されていたドレスウォッチブランドです。
以下、その位置づけ・特徴をまとめます。
位置づけ
ライナーは「グランドセイコー (Grand Seiko)」の少し下のランクで、「高級ドレスウォッチ」でありながら、グランドセイコーほどの検定精度を持たないモデル。つまり、より多くの人が手にできるドレスウォッチを目指したブランドでした。
薄型化 (Thinness) の追求
時計の流行が「より大きく、より薄く」という方向へ向かっていた時期に、ライナーは既存の Marvel ムーブメント等を改良して薄型ムーブメント(キャリバー 3140 など)を作り、それを搭載。非常に薄い手巻きムーブメントを使うことで、ファッション的にもドレスウォッチとしての優雅さを強調したモデルでした。
ブランド寿命
1960 年にスタートし、約 4 年程度でブランドとしては消滅しています。主な理由は、自動巻き運動の普及やクオーツ技術の登場、またセイコー内でのブランド整理などでしょう。薄型手巻きドレスウォッチだけでは時代の変化に対応しきれなかった面があります。
ムーブメント 3140 の特性
キャリバー 3140 は Marvel 系列を元に改良を加えたもので、薄くするためにパーツのクリアランスを見直す等の設計変更がなされている。23石仕様が標準ですが、21石モデルもあるとのこと。
デザイン多様性
ドレスウォッチとしてシンプルなものが中心ですが、文字盤の仕上げや模様(サンバースト、ブラッシュド、あるいは「ドラゴンフライウィング(Dragonfly Wing)」「kazaguruma(風車のような花模様)」などの変わり文字盤も存在)など、装飾性が凝ったタイプもあり、コレクターの間で価値のあるモデルがあります。
15016 型番についての特記事項
15016 はそのシリーズの中で具体的なモデルのひとつで、上記仕様の通り 3140 キャリバー搭載、23石、ステンレスケース等を持つドレスウォッチです。以下がそのモデルで見られる特徴・ステータスです:
15016 の個体は、ケースが非常に鋭くエッジが立っているものもあり、角度が複数あるデザインを持つものが確認されていること。
時計サイズ・ラグ形状など、装着感や視覚的印象がドレスウォッチらしい細さ・落ち着きがあるデザイン。
歴史的意義・評価
「Liner 15016」のようなモデルの意義は以下の点にあります:
薄型ドレスウォッチの日本国内での先進例
当時のセイコーが「ただ精度を競うだけでなく、デザイン・装着感・薄さ」で時計を作ろうとしていた証拠であり、時計ファッションが変化していく中での実験的、先行的要素を持っています。
コレクターズアイテムとしての価値
生産期間が短く、かつ特定のデザイン変種が少ないため、状態の良い個体や珍しい文字盤を持つものはコレクター間で人気が高いです。
Seiko のブランド戦略・技術発展の一断面
Liner はグランドセイコーとの差別化、そして薄型ムーブメントの開発能力の証明という意味で、後のドレスウォッチ/薄型ムーブメントの技術に繋がるモデル群のひとつです。
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